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テロと資源開発。

残すところ3日で、2020年もおわり。今年は、テロとコロナ に尽きる年となりました。モザンビーク北部カーボデルガド州でのイスラム過激派のテロは、なかなか日本ではニュースにならない一方で、日本の公金がじゃぶじゃぶとモザンビークに注ぎこまれています。そのこともニュースになりませんね。

モザンビークのみならず、イスラム過激派のテロと、資源開発は切ってもきりはなせない関係です。かといって、当会は、「ただちに開発をやめるべき!」という立場をとっておらず、資源開発だけでなく、日本の税金を投入した農業開発等においても、信頼形成や人材育成や情報発信共有のプロセスを大切にすべきだと考えています。

カーボデルガド州では 巨大天然ガス開発プロジェクトが進行しており、日本も精力的に参入しています。

三井物産、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)で保有するMEPMOZ社は、 2008年にモザンビーク北部沖合に位置するエリア1鉱区の権益を取得し、その後巨大天然ガス田を発見。

2024年には年間1200万トンの天然ガスを生産し、その3割を日本の企業が買取るようになっています。

政治腐敗や利権構造・既得権益、エリート層と外資による搾取構造。そしてそのしわ寄せはすべて貧困層が受け、不満は高まるばかりです。大規模開発で故郷の土地が収奪もしくは安値で買い取られる。開発が行われているが現地の人たちの仕事・収入が増えるわけではない。一部の人だけがお金持ちになっていくのを目の当たりにする。今日、食べることでいっぱいいっぱいな人と、享楽的資本ゲームに勤しむ人たち。その差はますます広がっています。

イスラム過激派(といっても何をもって過激派かを戦略的な要素も含め決めるのは西側ですが・・)が中東からアフリカへの勢力を移動させていき、過激派リーダーの影響を受けた人が各地に散りばり、ローカルで勉強会・講習会を開催し、絆を強め、意識を合わせ、武力をもつ集団へと成長していきます。

大義的だとしても(末端のジハーディストは給与、不満とイライラの解消としての戦い、のためだけだったりするので)カリフ制に則った国家の樹立や、イスラム文化の復興を目指し、成長戦略資金調達を考えると、巨大な収益が動く資源開発の土地は標的になりやすいです。ただし巨大プラントを高度な技術をもたない過激派が占領してもオペレーションすることができないでしょうが。交渉材料になるし、持っておいて損はない。

カーボデルガド州の場合は、ケニアのイスラム過激派の影響を受けた人物が現地でグループを作り力をつけていき、そこに海沿いの貧困エリアのイスラム教の民族も加わり、複数のアフリカの国の人たちで過激派が形成されています。2017年に最初のテロが起き、そこにイスラム国アフリカ州(ISCAP)も2019年6月から事後声明を出しています。

2020年12月現在、死者2000人以上、避難民53万人、うち人口20万人の州都ペンバへ流入してきた人たち13万人ー25万人と言われています。

当会も関係者が行方不明になったり、家を焼かれる、拉致される、、、などの被害を受けており、イスラム過激派がSNS等を使い情報発信、情報収集、情報共有、スカウトなどなどしているため、SNSで現地の具体的な情報を発信することは避けていますが、現地の被災エリアとも連絡をとり、避難民の受け入れも、事務局で行っています。

モザンビークがビジネス的に美味しい国である、投資するのに良い、モザンビークで儲けよう! という切り口からではなく、実際に現地の人たちが、資本家や巨額の資金を生かしたビジネスゲームを仕掛ける下で、どういう生き方をしているのか、、、、そこをぜひとも、日本の人たちに知ってほしいです。

巨額の公金が注がれていることも、ニュースにならず。

日本が天然ガス開発している土地で、起きているテロも、ニュースにならず。

支援ビジネス・寄付金集め代理店から発信される「モザンビークの人たちを支援」は、よく発信されている。